![]() 2018.08.03 Friday
歌劇『ペレアスとメリザンド』@東京オペラシティコンサートホール
8月1日ドビュッシー作曲の唯一の歌劇、 『ペレアスとメリザンド』の演奏会に行きました。
ドビュッシーの没後100年にあたる今年、 オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)の設立30周年記念、 そしてボルドー国立歌劇場総監督を2年前から務めるミンコフスキの OEK芸術監督就任記念の唯一の東京公演でした。
コンサートホールはそれほど奥行きがないため、 セミステージ形式でオーケストラ前部にステージを置き、そ こでオペラが繰り広げられました。
このオペラはワーグナーを崇拝していたドビュッシーが 自らのオリジナリティを意識して作曲したものとか。
台本には、著名な詩人モーリス・メーテルリンクの 同名の戯曲がつかわれています。
これまで親しんでいたイタリアやドイツのオペラとは違って 流れるようなオーケストラに合わせて、歌わせるよりも 物語を素直に語り聴かせる抒情的なものを感じました。
パイプオルガンを覆って大きなスクリーンが張られ、 森の情景、泉、城の内部などの情景が映し出されます。 両袖脇には縦長の字幕に翻訳が映し出され、 わかりやすい工夫がされていました。
第5幕のメリザンドが死の床にあるシーンでは後ろに衝立を置き、 悲劇のヒロイン、メリザンドは立ったまま演じていました。 フランス人の一流の歌手も、映像を含む演出も、 ボルドー歌劇場の1月公演を若干手直しして持ってきたそうです。
最後は満場の拍手、大喝采。 出演者やスタッフ、そしてミンコフスキとOEKの皆さんが何度も応えてくれました。 ミンコフスキさんは、楽譜を胸に抱きよせ、これが素晴らしい、とでもいうように ドビュッシーへのオマージュを表現していました。
素晴らしい演奏会でした。
ミンコフスキはそれぞれに文化度の高いボルドーと金沢の橋渡しを していくそうです。
DATA 東京オペラシティコンサートホール https://www.operacity.jp/concert/
![]() |