2018.05.26 Saturday
「プーシキン美術館展──旅するフランス風景画」その2@東京都美術館
上野の東京都美術館では、2018 年7月8日(日)まで 開催されています。
4月に第1部の印象派以前をご紹介してからかなり 時間がたってしまいましたが、まだご覧になっていない方向けに 印象派以降の作品をご紹介しましょう。
19世紀半ばから始まったセーヌ県知事に就任したオスマンによる 「パリ大改造」は、良くも悪くもパリの景観を大きく変化させます。
印象派をはじめとする世紀転換期を生きた画家たちは、 大都市パリの風景をモチーフとして数多くの作品を描きました。
左:ジャン=フランソワ・ラファエリ 《サン=ミシェル大通り》 1890年代 右:ジャン・べロー 《芸術橋(ポン・デ・ザール)近くのセーヌ河岸、パリ》 1890年代後半
《サン=ミシェル大通り》、《芸術橋(ポン・デ・ザール) 近くのセーヌ河岸、パリ》で描かれている風景は 人々の服装は変わりましたが、今でもそことわかる 近代都市パリの風景を生き生きと描写しています。 クロード・モネ 《草上の昼食》 1866年
さて、いよいよ今回の展覧会の目玉、初来日の クロード・モネの《草上の昼食》の登場です。
中産階級が台頭する19世紀後半、人々は都心を離れ、 パリ近郊へピクニックや森の散策、川遊びを楽しみに でかけます。印象派の画家たちも戸外にカンヴァスをひろげ、 身近な自然へまなざしを向けるようになります。
この作品は、サロンに出す大作の最終下絵に手を加えて 完成させた作品であっても、こうした情景を描いた 20代半ばのモネの傑作といえるでしょう。
左:ルイ・ヴァルタ 《アンテオールの海》 1907年 右:ルイ・ヴァルタ 《森の小屋》 1906年
さて次に画家たちが向かったのが、南フランス。 ポール・セザンヌは故郷のエクス=アン=プロヴァンスで 独自のスタイルを確立しました。 また、南仏はフォーヴィスム発祥の地となります。 フォーヴ画家としてルイ・ヴァルタの作品が展示されいます。
アンリ・ルソー 《馬を襲うジャガー》 1910年
万国博覧会で異国の文化を体験した画家たちは、 さらに遠い世界へと目を向けます。
アンリ・ルソーは、パリで目にすることができた異国の 片鱗から想像を膨らませ、実際には足を踏み入れたことがない 憧れの熱帯を描きました。
フランス風景画が次に旅するのはどこなのでしょう?
「プーシキン美術館展ー旅するフランス風景画」は 2018年7月8日まで。お見逃しなく!
DATA 会期:2018年4月14日(土)〜7月8日(日) 会場:東京都美術館 企画展示室 休室日:月曜日 開室時間:9:30〜17:30(入室は閉室の30分前まで) 夜間開室:金曜日は9:30〜20:00(入室は閉室の30分前まで) 観覧料:一般 1,600円 / 大学生・専門学校生 1,300円 / 高校生 800円 / 65歳以上 1,000円
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